堂加亭
有馬温泉(兵庫県)

有馬温泉のなかでも古い町並みが残る「湯本坂」エリアにつくった、古民家をリノベーションした「茶房・堂加亭」。
建物は昭和初期につくられた民家で、何度か持ち主が変わるうちに増改築が繰り返され、老朽化が進んだ状態での着手となりました。
はじめに、雨漏りと落下が心配された屋根瓦を取り除き、ガルバリウム葺きに変更。次に、増築された厨房部分を取り除き、道路側から視線の「抜け」となる中庭をつくりました。
建物自体の老朽化に対しては、柱の足下の痛んだ部分を交換するだけでなく、新規に柱梁を加えています。
継承できる意匠は極力残し、新しく加えるデザインも違和感のない佇まいとなるよう、棟梁と検討を重ねてつくりました。
工事に際し、現場で鉋がけや木取りを行える宮大工の職人集団やペンキ職人ではなく塗師による色付けなど、伝統的な建物にふさわしい体制での工事をすることができました。
カフェは、ポルトガルでガラスと料理の勉強をしていた、設計者の弟である豊田康次郎氏が一からつくりあげています。ポルトガルのスイーツ「セリカイヤ」や「お米のプリン」をはじめ、丹波地方の銘茶「母子茶(モウシチャ)」、外には出していないと言われている徳島aalto coffeeの豆を使ったドリップコーヒー、瀬戸内産レモンを使用した自家製黒糖レモネード、高知産のショウガを使用した自家製ジンジャエールなど、独自のメニューを展開しつつ、自身のガラス作品の展示も行っています。

 
 
 
 
 
 
 
 
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